家の中でゾウの赤ちゃんを飼い始めたら、すぐに成長して1ヶ月も経たないうちにアパートの6畳の部屋を占領するようになった。飼い始めたころは元気に足踏みをしたり、鼻を持ち上げて水浴びなんかしてたものだが、だんだん体が大きくなるにつれ部屋の中が窮屈で方向転換も難しくなり、最終的にお尻を玄関側に突き出して、顔を奥の壁に向けた状態で体の向きが固定されてしまった。私は部屋を追い出され、僅かに残っている玄関のスペースで寝泊まりを続けている。日々の餌やりは、しゃがみこんだゾウの足元にある僅かな隙間から、干し草を長い棒で奥に押しやって食べさせる。それを朝昼晩の3回やる。こちら側に向けられた尻から毎日大量のウンコが出てくるので、バケツに入れて夜中にこっそり山へ捨てにいく。滅多に動かないし鳴かない、こちら側には尻しか見えていないのでゾウが普段どういう感情でいるのかはよく分からない。とにかくウンコだけは毎日モリモリ出てくるので健康面では心配なさそうだ。今日も餌をやるのとウンコの処分だけで一日が終わった。献身的で偉いねえと言ってくれる人もいて、そういう人がいたらゾウの糞まみれのケツに油性ペンで名前を書くことにしている。さらば!

(2020/11/18)

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